横溝隆の計画

4/8
前へ
/61ページ
次へ
 隆のポジションはスタンドオフ。  父親であろう男がつけていた背番号10番のポジションだ。  小学生の頃から雑誌を読みまくっていた隆。  もちろん父親の姿を探すことが一番の目的ではあったが、  ラグビー自体の面白さ、複雑で美しくもある戦術の緻密さにすっかりはまっていた。  そして、思春期になると完全に自分のセクシャリティが固まった。    それは以前から薄々は気づいていたのだが、自分は女性にはまったく性的な興味がなく、男性が好きなのだということ。しかも、同級生や年の近い男ではなく、大人の男性が好きだということ。  理想のタイプは父親だと思っている男。  完全にファザコンだ。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加