八坂千洋という男

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 「さあ、飯にしよう。   がっつり食えよ!」  昨晩仕込みをし、早起きして作った俺の手作り特製弁当だ。    こいつら若者のために、栄養満点、体力&精力満タンになるように工夫を凝らした。  俺は人が飯を食っている姿を見るのが好きだ。特に俺の料理をうまいうまいとがつがつ食べている姿は至福の喜びである。もう、フェチと言っても良いだろう。  だから、この合宿所を兼ねたペンションの経営は天職である。  そうは言っても、各学校のラグビー合宿が集中する夏場は一人で切り盛りするのは大変なんだが、その問題も今年から人を入れることにしたので少しは解消する見込みだ。  鰆岩のすぐ脇で車座になって弁当を食べ始めた。  俺の右隣には隆、左隣には元太、隆の右には厚、そして美貴、元太の左には雄介、美貴が俺の正面にくる。  いつものフォーメーションだ。
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