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「千洋さんは入らないんですか?」
元太の声で我に帰った。
そう言えば千洋さんの裸もちゃんと、見たことないっけ。
元太の15年後見たいな感じかな。
ちょっとドキドキする。
って、さっきから俺、なんかそんなんばっかだなとひっそり反省。
「最後の時なんだから、お前ら五人、水入らずで楽しめ。
そして悔いがないようにちゃんと話せ。
そして、ケリをつけろ。
いいな!
俺は鰆岩のとこで昼寝でもしてるから、終わったら上がって来い」
全員の表情が一瞬引き締まった。
一体、何を話せと。
何にケリをつけろというのか…
俺の後悔、俺のケリをつけなきゃいけない事。
元太の事に決まっている。
そう、解っているのに。
卒業したら、元太とはきっと離ればなれになる。
同じラグビー部で元太とすごした密な七年間はもう終わりなんだから。
去っていく千洋さんの後ろ姿はもう見えなくなっていた。
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