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えっと、頭が追いつかない。
厚と美貴が付き合ってる?
で、美貴には別人格の美樹という死別した姉がいる?
おいおいおい、隆のカミングアウトだけでもパニックになりそうなのに、
ちょっと待ってくれよ…
「ちょっと待って!
僕は美樹じゃない。
美貴として、男の美貴として厚が好きだし、これからも付き合っていきたい。
厚、ごめん。勇気がなくて。
きっかけは美樹だったかもしれない。けど、今は、いや最初から僕も厚を愛してた。
でも、厚を失うのが怖くて本当の事がずっと言えなかった。
厚、本当にごめん。
許して欲しい。」
あの気弱な美貴がこんなにはっきりと自分の意思を伝えている。
本気の、そして偽りのない真摯な言葉に思えた。
「厚、よかったな。
お前の悩み、解決したんじゃないか?」
厚は隆の目を見て、そして、すぐに美貴に向き合い大きく頷き、抱き寄せた。
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