6人が本棚に入れています
本棚に追加
天気は快晴、気温もさながら春本番といった感じでまさにハイク日和となった。
いつもながら美味しい和定食の朝ごはんをたらふく食べ、身なりを整えてペンション千洋の玄関前に集合した。
暖冬のお陰で、ハイクも軽装で大丈夫だと千洋さんがいっていた。
各々、リュックやカバンなどに飲み物とタオル、念のための上着を入れている程度だ。
お昼は千洋さんお手製弁当を鰆岩で食べる予定。
隆がそのお弁当をまとめて持ってくれている。
最後に外に出てきた厚は花粉症のためマスクとゴーグルを装備している。
表情はうかがいにくいが、それほど嫌そうにも見えない。
すぐ横に立つ美貴となんでもない会話をしている。
隆は全員揃ったところで、千洋さんを呼びに行ったみたいだ。
元太は上機嫌に意味不明な鼻歌をうたいながら出発を待っている。
なんとも無邪気というか、いつでも自然体なその姿がとても微笑ましい。
しばらくして、隆と千洋さんが現れた。
千洋さんは山男ファッションに身を包み、それが異常に似合っていて、つい見とれてしまった。
この男もまた元太と同じ部類の何かを持っており、心を刺激してくる。
時刻は午前9時。
千洋さんの出発の声を合図に幻の露天風呂に向かって歩きだした。
最初のコメントを投稿しよう!