五十川雄介の視点

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 天気は快晴、気温もさながら春本番といった感じでまさにハイク日和となった。  いつもながら美味しい和定食の朝ごはんをたらふく食べ、身なりを整えてペンション千洋の玄関前に集合した。    暖冬のお陰で、ハイクも軽装で大丈夫だと千洋さんがいっていた。    各々、リュックやカバンなどに飲み物とタオル、念のための上着を入れている程度だ。  お昼は千洋さんお手製弁当を鰆岩で食べる予定。  隆がそのお弁当をまとめて持ってくれている。  最後に外に出てきた厚は花粉症のためマスクとゴーグルを装備している。  表情はうかがいにくいが、それほど嫌そうにも見えない。  すぐ横に立つ美貴となんでもない会話をしている。  隆は全員揃ったところで、千洋さんを呼びに行ったみたいだ。  元太は上機嫌に意味不明な鼻歌をうたいながら出発を待っている。  なんとも無邪気というか、いつでも自然体なその姿がとても微笑ましい。  しばらくして、隆と千洋さんが現れた。  千洋さんは山男ファッションに身を包み、それが異常に似合っていて、つい見とれてしまった。  この男もまた元太と同じ部類の何かを持っており、心を刺激してくる。      時刻は午前9時。  千洋さんの出発の声を合図に幻の露天風呂に向かって歩きだした。   
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