五十川雄介の視点

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 鰆岩までの行き方は夏合宿で4回訪れているので、もう、すっかり頭に入っている。  先頭を歩くのは厚と美貴。    そのあとに続くのが元太と俺。  そして、一番後ろが隆と千洋さんである。  このメンバーで何かをするときには、だいたい厚と美貴、元太と俺という構図はいつも通りである。    そして、隆はオールマイティーなので、普段ならそのどちらかに加わる形になるのだが、今日は千洋さんがいるので隆は千洋さんとペアになっている。  歳が大きく離れている千洋さんとも、違和感なく接することができるのは、隆がクッションになっているからなのかもしれない。  それにしてもチームで一番小柄な厚とスラッと手足の長いモデルのような美貴は外見的にはまさに凸凹コンビである。  自分の意見をずばっと言う厚と優柔不断な美貴、きっと厚がグイグイひっぱる感じなのだろう。  一方、元太と俺は外見的には似た者同士なのだが、性格は月と太陽、元太は俺と一緒にいて楽しいのだろうか?  俺は嬉しくてたまらないのを抑えるのに必死なのに、元太は相変わらずの自然体。  手を伸ばしたら握り返してくれそうなくらい直ぐ隣に元太の太い腕がある。  もちろんそんなことはできないけれど。
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