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「貴方は、今まで倉田のことをおかしいとは思わなかったんですか?」
「え?」
「触れ合うことがあったのなら、それに気づいているはずですが」
そう言って河合は珈琲を近くの机に置き、立ち上がる。そして俺に顔を近づけてきた。
その深いブラウンの瞳に、脳内を覗かれているような変な気分になる。
「心なんてものを、ヒトは持ち合わせているから、おかしくなる」
「…は?」
頭の上に疑問符がついたところで、彼は自分の親指で俺の唇をなぞった。
それはまるで──。
「『ドール』に心なんて無いんですよ」
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