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「掃除屋さんって独り身だろ?それに家族も親戚もいない。身寄り無し。従業員が助けてくれるかと言ったら、それは絶対無い。だって、一人一人切り離してんの社長の自分だもんな!えっと…芋づる式にならないように?だっけ!アハハ!自業自得って可哀想だな!」
だんだんと狂気になってくるその声は、俺の意識をはっきりさせるより、ぼんやりとさせていった。涙が出て、視界が滲んで──。
「やあやあ…掃除屋さん」
もう生きてるのか死んでるのか、訳の分からなくなった俺に、まるで催眠術師のように倉田が囁く。
苦しさ…というのを感じる。
脳が勝手に信号を遮断しているのは、痛みだけ、か…。
似たようなものなのに、おかしいな。
いや、もはや初めからマトモじゃなかったのかもしれない。
は?俺今、何考えて…もう…訳わかんねえ…。
倉田の口がゆっくりと動く。
「永遠に、おやすみ」
刹那、明かりが消えた。
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