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「別に俺も偏見はなかったけど、さすがに身近で、ホモられるのもキツイよなー。しかも原ちゃんって」
顔の右半分をしかめて、槙島が言った。薄笑いを浮かべて有楽も同意する。するしかなかった。
ふっと辺りを見回すと、男ばかりのクラスの中、皆が皆、同じような表情で、新堂と原ちゃんのことを噂していた。
高二にもなると男子校の生活にも慣れて、倦怠感まみれの日々だったが、久しぶりに飛び込んできた衝撃的なニュースに、クラスは活気に満ち溢れていた。
けれども有楽は、この盛り上がりがまがいものだと知っている。
自分とは異なる種類の人間を見下し、笑いものにする。下劣な空気が蔓延していた。
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