7. 光の射す方へ

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全身全霊で真白だと思い込んで行った行為が、真白じゃなくて、真白じゃない相手と子供が出来た。 相手が語る“愛のある行為”に、 真白の前で反論できなかった。 反論することに躊躇し、またそれで傷付けたことに後悔し、俺は負のループにハマっていた。 「事実と…真実…」 家に戻り、玄関扉に凭れて呟いた。 あの夜のことを思い起こすと、そこから1年のことを考えずにはいられなくなる。 自分の行動や言動、それを後悔することも沢山ある。 だけど結局最大の後悔は、あの夜で、また振り出しに戻る。 答えなど出ないと思っていた。 だけど、俺の真実を明言することは出来る。 “君が萩山被告に向かい合うことは、君の傷はもちろん、天宮さんの傷を癒すことに繋がる” 九条先生の言葉に、やっと萩山麗美と闘う方向性が見えたんだ。
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