はりねずみくんの特別な場所

1/1
前へ
/1ページ
次へ
今日のはりねずみくんは少し元気がありません。 お腹が痛いのでもなく、頭が痛いわけでもありません。 なんとなくいつもと違うのです。 そんな時いつも行く、はりねずみくんだけの特別な場所があります。 今日もそこに行くことにしました。 そこは、まだセキレイさんとハスキーさんには教えていません。 はりねずみくんは身支度をして、おうちを出ました。 ゆっくり周りの景色を見ながら、とことこ歩いているとトカゲくんに出会いました。 「はりねずみくん元気ないね。」 はりねずみくんは「そんなことないよ」と言うと、 「ごめんね?もう行かなくちゃ」と、トカゲくんに申し訳なさを感じながら、また歩き出しました。 トカゲくんは「変なの」と呟きながらどこかに行ってしまいました。 はりねずみくんの目的地まで、あともう少し。 「着いたあ」 そこは一面緑の世界。 クローバーの森でした。 はりねずみくんは、ころんと横になって、風の匂いを感じ、お日様の温もりを感じ、何も考えない時間が大好きなのです。 優しいそよ風にクローバーたちが、さわさわと音をたてます。 そんなゆったりとした時間を、はりねずみくんは、とても大切にしています。 そして、帰る頃には足取りも軽く、いつもの元気で優しいはりねずみくんに戻っているのでした。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加