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今日のはりねずみくんは少し元気がありません。
お腹が痛いのでもなく、頭が痛いわけでもありません。
なんとなくいつもと違うのです。
そんな時いつも行く、はりねずみくんだけの特別な場所があります。
今日もそこに行くことにしました。
そこは、まだセキレイさんとハスキーさんには教えていません。
はりねずみくんは身支度をして、おうちを出ました。
ゆっくり周りの景色を見ながら、とことこ歩いているとトカゲくんに出会いました。
「はりねずみくん元気ないね。」
はりねずみくんは「そんなことないよ」と言うと、
「ごめんね?もう行かなくちゃ」と、トカゲくんに申し訳なさを感じながら、また歩き出しました。
トカゲくんは「変なの」と呟きながらどこかに行ってしまいました。
はりねずみくんの目的地まで、あともう少し。
「着いたあ」
そこは一面緑の世界。
クローバーの森でした。
はりねずみくんは、ころんと横になって、風の匂いを感じ、お日様の温もりを感じ、何も考えない時間が大好きなのです。
優しいそよ風にクローバーたちが、さわさわと音をたてます。
そんなゆったりとした時間を、はりねずみくんは、とても大切にしています。
そして、帰る頃には足取りも軽く、いつもの元気で優しいはりねずみくんに戻っているのでした。
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