悪魔の囁きと神々の騒めき(問題編)

1/6
前へ
/38ページ
次へ

悪魔の囁きと神々の騒めき(問題編)

0  ~♪  テンポの良いリズミカルなアラーム。某CMで有名なあのメロディーだ。規則正しい生活が好きな僕はコレを聞くと安心する。  僕が好きなものは計画。何事も計画通りに動かなければ気が済まない。  嫌いなものは想定外。僕の人生において計画の邪魔をするやつは大嫌いだ。  だから……。 「僕は悪くないよね……?」  自分に言い聞かせるように呟く。ベッドから起きて、キャビネットの引き出しを開けた。  鉄輪、蝋燭、五寸釘、そして藁人形。  それらを取り出して、ナップサックの中に放り込む。 ―――僕は悪くない。僕の計画を狂わせたアイツが悪い。  自分にそう言い聞かせ、僕は準備を始めた。 0.5  急がなきゃ! 急いで準備しなきゃ、アイツが死んじゃう!  僕しかいない……。誰にも頼ることは出来ないし、僕だったらアイツを救うことができる。  だから、早く! 何とかしなきゃ!  お願い! 誰か気づいて……!  「呟きを広める」という文字が青く光り、液晶画面に映る。少年は躊躇うことなく文字に触れる。 「ツチノコ発見! 鞍馬山にて」  その文章が世界中に拡散された瞬間だった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加