悪魔の囁きと奇妙な男

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悪魔の囁きと奇妙な男

1 「うーむ……。むむむ……。あぁ、くそっ」  場面は大学の推理小説研究会部室。床のあちこちに、読みかけの推理小説や原稿用紙、ボールペンやパイプ椅子などが転がっている。部屋の中央には、会社のミーティングで使われそうなT字脚仕様の大型テーブル。パイプ椅子も右に3つ、左に3つの計6つが並べられている。窓際には会長のポケットマネーで購入した32インチのテレビ。右側の本棚には推理小説が全段にぎっしりと敷き詰められている。本の重さで、そろそろ棚が壊れそうだ。いかにも大学の部室という感じの部屋である。  現時点での登場人物は俺。周りの人間からは「N先輩」と呼ばれている。就活を控えた三回生で推理小説研究会の会員。黒いジーパンと黒Tシャツを着ている。他は特筆すべき点はない。  現時刻は12時50分。丁度、昼休みが終わる頃だ。この時間帯の大学生という生き物は様々な状態に陥る。満腹になって眠くなる者、三限の講義に備えてブラックコーヒーで目を覚ます者。はたまた、講義に多少遅れることを覚悟で食堂で話に花を咲かせる者。そんな奴等がいる中で、俺は部室で雪景色のように真っ白な画面のパソコンを前に頭を悩ませていた。  何故、俺が真っ白なワードの前で頭を抱えているのか? 答えは明白。我が研究会の会誌である「謎迷宮」に掲載するために執筆している小説の締め切りが明日までなのだ。アイデアは夢の島に溜まった産業廃棄物の如く脳内に溜め込んでいるのだが、それを文章にするとなると苦労する。大抵の作家はプロットをまとめてから、数日から一週間かけてじっくりと構成を練る。一方、無精な俺はノリに乗って見切り発車で書き始めるタイプだ。で、結果はこの通り。 「畜生! 上手くいかねぇ! もう、喉の辺りまで文章が出かかってんだけどなぁ。なかなか書き出せねぇ!」  と俺が心の叫びをあげた瞬間、部室の扉がバタンと開いた。茶髪、黒のテーラードジャケット、タイトなジーンズといった服装で、いかにも大学生という感じの好青年が、コンビニの袋を持って現れる。 「N先輩、また悩んでいるんですか? 前回、あんなに苦しんで『次はちゃんとプロット書いてから始めます! 神と仏に誓います! だから、もう俺を苦しめないでくれぇ! 締め切り様!』って叫んでたじゃないですか。また、行き当たりばったりの執筆ですか?」  入室するや否や、先輩である俺に嫌味な台詞を吐いてくるのは、一回生の後輩、七条葵である。此奴は初対面の時も、 「実家が老舗の料亭で享保の頃から続いているんですよ! 市内にあるので、先輩も機会があれば是非食べに来てください!」  などと嫌味な台詞を平気で言ってくる奴だ。時々、腹が立つ言動をすることもあるが、何だかんだで憎めない奴で俺が忙しい時に差し入れでカールのチーズ味をコンビニで買ってきてくれる。自己紹介の時に話した俺の好物をちゃんと覚えてくれているようだ。今日もカールの黄緑色の袋を食べやすいように開き、俺の傍らに置く。さらに、カールを食べたときの口内のパサパサ感を緩和する為の飲み物として、キャップが閉まるタイプの缶のブラックコーヒーも置いてくれた。生意気な所を除けば、本当によく出来た後輩だ。 「おう、サンキュー。それで、創作の話だが。今回はちゃんと書こうとしていたんだよ! だが、プロットを書こうとしている最中に、また新たな作品のアイデアが閃いてきてな。その時、俺の中に存在している小説の悪魔が囁いたのだよ……。『お前はこんなに多くのアイデアを閃くことができる選ばれた天才なのだよ! 天才には、わざわざプロットを書くという面倒な過程など必要ないのさ! そうは思わないかい?』とね……」 「アホか、あんたは」  俺の芝居じみた台詞に、七条君はジトっとした目でこちらを見る。俺も負けじと睨み返す。 「何か言ったか?」 「いえ何も。それで、その悪魔の言葉に耳を貸したんですか?」  俺の追及を逃れるべく、七条君は唐突に話題を逸らす。 「あぁ、貸したとも! その結果がこのザマだよ! あぁ、畜生! もう二度と! あの悪魔の囁きには耳を貸すまい! 今度という今度は反省したぞ!」  俺の台詞に、再びジトッとした目が向けられる。 「その台詞は前回も聞きましたね。また、その変な悪魔に騙されたんですか? 先輩は将来、確実に詐欺師や地面師に騙されるタイプです。きっと羽毛布団を高額で買わされたり、電話口で『オレオレ』言う人に大金を振り込んじゃう運命にあるんですよ。可哀想に……。今のうちに全財産をユニセフや赤い羽根募金に突っ込んだ方が、先輩の為にも世の中の為にも良いですよ! よし、今から先輩の財布の中身全部、慈善団体に寄付してきますから、財布を僕に寄越してください!」  そう言って、ちゃっかり手をこちらに差し出す。 「おう、じゃ頼むわ。ってなるか馬鹿! どうせ、俺の財布の中身がお前の懐に入るだけだろうが! 俺だって、そこまで馬鹿じゃないぞ!」  俺が自信満々に放った台詞に、七条君は溜息をつく。 「その台詞そのものが馬鹿の台詞じゃないですか……。ってか先輩。こんなコントやってる暇ないんじゃないですか?」  その言葉で唐突に、現在の自分の状況を思い出した。明日までの原稿! 「おぉ、そうだった! ってか、時間をロスしたのはお前のせいだ! この野郎!」 「人のせいにするなんて最低な人ですね! もうカール買ってきてあげませんよ!」 「それは困る! 分かった、もう人のせいにしないから許してくれぇ!」  好物を引き合いに出されてはたまらない。俺が平身低頭して謝り倒すと、七条君はまたもや哀れな生き物を見るような視線を向ける。きっと、「チョロい先輩だな」などと失礼なことを考えているのだろう。  こんなやり取りが数分続いたところで、七条君は突然、何かを思い出したようにポツリと呟いた。 「そういえば、先輩。さっき、ヤバイことがあったんですよね」 「ヤバイこと? 何か事件でも起きたのか?」  推理小説研究会の一員として、奇妙な話にはとても興味がある。俺は咄嗟に椅子ごと彼の方へ振り向き、身を乗り出した。そんな俺の様子に引き気味になりながらも、七条君は話を続けた。 「え、えぇ、先刻の昼休みに起きたことなんですけど……」 2  僕は昼休みはいつも、大学の休憩所みたいな場所でコーヒーを飲みながら読書しているんです。ほら、図書館の横の校舎にある場所ですよ。コーヒーメーカーや自販機、ATMが設置してあって、おしゃれなソファとかテーブルがある所です。基本的に学生の溜まり場になっているんですが、特に立ち入り制限をしているわけではないので、大学見学の人とか外部の人も(たま)に利用していますね。  今日の昼休みも僕はそこで過ごしていました。ソファに座ってコーヒーを飲みながら、のんびり読書していたんです。そしたら、多分、外部の人じゃないかなぁ。高価そうな一眼レフを首から下げて、黒い大きなカバンを持った、妙な雰囲気の男がドカッと隣の席に座ったんですよね。サングラスを掛けて、無精ひげで見るからに怪しい奴でした。  え? 見た目で人を判断するのは良くないって? いや、見た目が怪しいってだけなら、こんな話はしませんよ。ここから男は奇妙な行動を取り始めるんです。  その男は席に着くなり、自分の鞄の中をゴソゴソと漁り始めたんです。そしたら急に男は慌ただしい様子になりましてね。鞄の中に違法薬物でも入っていたんじゃないかって程の慌てぶりでしたね。しかし、男が鞄から取り出したのは違法薬物ではなく、抹茶オレの缶でした。キャップが閉まる缶のタイプで自販機で売っているやつですよ。さっき、先輩にコーヒー買ってきたでしょ。あれと同じ形状の缶です。  普通、休憩所で一息ついて飲み物を飲もうって時は、一口ずつ、ゆっくりと飲むじゃないですか。でも、その男は抹茶オレを一気に飲み干したんですよ。え? 残りが少なかったから一気飲みしたんじゃないかって? いや、あの飲み方はそんな感じではなく、まだ半分くらいは残っていたと思います。数十秒くらいかけて飲んでましたから。飲み干した缶は速攻で休憩所にあるごみ箱に捨てていました。  その後、男はさらに怪しい行動に出ました。何と、男は鞄から本を取り出したんです!  あ、先輩! 今、本を取り出したから何だって呆れた目で僕のことを見ましたね! 違うんですよ。本は本でも一冊じゃないんです。十冊くらいの大量の本を取り出したんですよ。十冊の本って結構な重さですよ。大学見学の人や観光客が持ち歩く量じゃありませんよ。  そもそも、普通の人は外出時に本を大量に持ち歩いたりはしません。暇潰しの為に持ち歩くとしても、多くて二冊くらいでしょう。それに今はスマホやタブレットがありますから、十冊の本が必要だったとしても機械一つで事足りるんです。  え? 大学の教授が講演で使うからじゃないかって? 言い忘れてましたが、その男は観光客みたいなラフな格好をしていました。教授って感じじゃなかったですね。ウチの大学で見かけたこともないですし。外部から招かれた教授だったら、もっとキチッとしたスーツとか着てくると思います。第一、講演に来た教授が何で首から一眼レフ掛ける必要があるんですか?  しかも、その男は大量の本を読むために持ち歩いていたわけではないみたいでした。そいつは取り出した本を一冊一冊、丁寧にハンカチで磨き始めたんです。最初は家から持ってきた本が埃まみれだったから拭いているんだろうって思ったんです。でも、あれは家で読み古した本じゃなくて新品ですよ。磨かれた本の表紙は天井の照明の光を反射して光り輝いてましたからね。  男の奇妙な行動はまだ続きます。男が最初に鞄から本を取り出したときは、本屋の袋にも入っておらず、ビニールの包装や紙のブックカバーも無い状態でした。でも、そいつは本を一通り磨き終わった後、ポケットからコンビニのレジ袋を取り出したんですよ。何をするのかと思って見ていたら、何とそいつは十冊全ての本を開きもしないで、そのレジ袋に放り込んだんです。  何故、最初は素の状態で鞄に入れていた本を、わざわざコンビニのレジ袋に入れ直す必要があったんでしょうか? それに、本はそもそも磨くものじゃないし。仮に男に本を磨く奇特な趣味があったとしても、外出先ではやらないでしょう。読むどころか開きすらしない本を十冊も持ち出してハンカチで磨くという行為そのものが謎なんです。  そして、これが男が最後に取った奇妙な行動なんですが……。これは本当にヤバイです!   ちょうど男が本をレジ袋にしまい終えたときに、ガタイの良いラグビー部員が休憩所に入って来たんです。それを見た男は急に立ち上がって、ラグビー部員に近づくと、こう言ったんです。 「ちょうど良かった。君、この大学の運動部の更衣室やシャワー室って何処にあるんだい?」  もう、この時点で完全に変態ですよ! 一眼レフを持った挙動不審な男が更衣室にシャワー室! そのラグビー部員も怪訝そうな顔をしていましたね。通報しようか悩んでいる様子でした。  でも、不思議なんですよねぇ。男がラグビー部員にゴニョゴニョと何かを囁いたんですよ。そしたら、ラグビー部員は「あぁ」って納得した表情になって、運動部の部室棟の場所を教えちゃったんです! 男は部員に礼を言うと、走って部室棟に向かっちゃいました。  以上が、僕の体験した奇妙な出来事です。N先輩、これってヤバくないですか? 3  「へぇ、成る程ね」  七条君の長い話がやっと終わった。まぁ、奇妙といえば奇妙だが、取り立てて気にするような出来事ではないと思う・・・・・・。俺がその考えをそのまま口にすると、七条君はギロリとこちらを睨みつけた。 「推理小説研究会会員が、そんなことでどうするんですか! もしかしたら、犯罪に発展するかもしれないんですよ!」  犯罪? 七条君の言葉に俺は耳を疑った。慌てて七条君を問い詰める。 「待て待て! 君は今、犯罪って言ったけど、どうしてこの件が犯罪に発展するんだ?」  俺の疑問に、七条君はやれやれと呆れたように溜息をついた。 「そんなことも想像できないんですか? 仕方ない。僕が順を追って説明してあげますよ」   そう言って、偉そうに人差し指を立てながら部屋の周りを徘徊し、語り始めた。 「まず、男の奇妙な行動は四つに分類できます。一つは、休憩所に一休みに来たにもかかわらず半分も残っている飲み物を一気に飲み干したこと。一息つきたいだけなら、あんな慌ただしい飲み方はしません。飲み方だけでなく、鞄から飲み物の缶を取り出した時も慌ただしい素振りでした」 「それなんだけど。その行動って、そんなに奇妙か?」 「どういうことですか? 先輩」  俺の突然の意見に七条君は戸惑いを見せた。 「休憩するなら飲み物を一気飲みしてはならないなんて法律は無い。もの凄く喉が渇いている人だったら一気飲みくらいするだろう。それに、持参していた飲み物が温くなって味が落ちてしまい、飲む気が失せてきた。そんな時に大学の休憩所に立ち寄ると、冷たくて美味な飲み物を売っている自販機が……。男は一気にまずい抹茶オレを飲み干し、新しい飲み物に乗り換えようとしたっていう筋書きだって考えられるだろ」  俺の意見を聞いた七条君は残念そうな顔で首を横に振った。 「もの凄く喉が渇いている人なら、わざわざ休憩所に入ってくる必要がありませんよ。ここは大学構内。自販機やゴミ箱は校舎のあちこちにありますし、男の持っていた飲み物の缶はキャップ付きなんだから、任意の場所で立ち飲みや持ち歩き、廃棄が可能でした。それに、実は先刻言い忘れたんですが休憩所には水道と洗面台もあったんです。飲み物が気に入らなければ、そこに中身を流すこともできました。そして、男は抹茶オレの缶を捨てた後、新しい飲み物の購入はしていません。先輩の考えは的外れですよ」  成る程。悔しいが正論だ。しかし、水道と洗面台のことを後出しにするとは卑怯じゃないか。 「二つめは、大量の本を持ち歩いていたこと。先程も言いましたけど、外出中に読み切れないし、重くてかさばるし、電子書籍が普及している現代では十冊の本を持ち歩くというのは異常な行動です」 「本屋で十冊買って、そのまま休憩所に来た可能性もあるんじゃないのか?」  二回目の俺の反論にも、七条君は余裕の笑みで答えた。 「先輩、ちゃんと話を聞いてました? 本屋で買ってきたばかりなら、本屋の袋から取り出す筈でしょう。さっきも言いましたけど、十冊の本は全部、袋もカバーも無い、素の状態で鞄に入っていたんですよ」  これまた納得せざるを得ない。しかし、やっぱり此奴の言動はどことなく腹が立つ。 「話を続けますよ。三つめは本を磨くという行為。何故、男は外出先で本を綺麗に磨き上げる必要があったのでしょう?」 「本を売り歩いている人がこの大学で取引の予定があり、依頼人に渡す前に綺麗にしておきたかった……というのは?」  俺は何とか、それらしい意見を捻り出した。 「違法薬物とかならともかく、本を売り歩いている人なんて聞いたこともありませんよ。普通に本屋に行けば済むことですし。希少本だったとしても、ア〇ゾンやメル〇リ、それにここの人間なら古本市で手に入れられます。そんな需要の無い商売をする奴は居ませんよ。先刻(さっき)から、変な横槍いれないでください」  俺の考えが「変な横槍」扱いされ、悲しくなる。 「気を取り直して四つめは男がラグビー部員に更衣室とシャワー室の場所を聞いた件です。首から一眼レフを掛けており挙動不審。しかし、そんな男が部員に何かをゴニョゴニョと話したら、部員は部外者兼不審者にあっさりと部室棟の場所を教えてしまったんです。一見、不可解に見えるこれらの行動……。しかし、これらの四つの点を繋ぎ合わせれば真実は明らかになるんです!」 「真実って?」  俺の問いに七条君は自信満々に頷いた。 「そう、男は万引き犯&盗撮魔&下着泥棒だったんですよ!」 「は?」  俺の気の抜けた声に、七条君は「こんなことも分からないのか」と言いたげにこちらを一瞥する。 「まず、男が休憩所に来た理由ですが、犯罪と犯罪の合間に小休止を入れる為です。男は休憩所に来る前に本屋で万引きをしてきたんですよ。だから、本がカバーや袋も無く、大量に鞄に入っていたんです。  次に大学で盗撮と下着ドロをしようと思い立った。でも、本屋から急いで逃げてきた男は喉がカラカラ。だから、喉を急いで潤す為に、そして犯罪で昂った心を落ち着かせる為に一気に飲み物を飲み干したんです。  本を磨いていたのは、万引きした本を出来るだけ綺麗な状態で転売する為です。汚れていたら、価値が下がって安く買い叩かれますから。  次に男は盗撮と下着ドロに向かいますが、初めて来た場所で何処を狙うべきかが分からない。そこに、男にとっては有難いことにラグビー部員が休憩所に入って来たんです。男はラグビー部員に取引を持ち掛けた。『この大学の更衣室とシャワー室の場所を教えてくれれば、お宝写真と盗んできた戦利品を君に分け与えよう』とね。交渉は成立。男はラグビー部員からまんまと運動部の部室棟の場所を聞き出したんです! どうです! 完璧な推理でしょ!」  胸を張る七条君。その態度に俺は辟易する。 「まぁ、辻褄は合っているけども……。少し強引な推理なんじゃないか?」  その言葉に七条君は憤慨した。 「何を言うんです! 失礼な! じゃあ、僕の推理が正しければ、今頃、男が更衣室とシャワー室を物色している筈です。確かめに行きましょう!」  その発言だけならば適当に受け流すことができた。しかし、次の瞬間、此奴はとんでもないことを言い出した。 「あ、そうだ! 相手は犯罪者ですからね。警察を呼びましょう! それが良いでしょう! 早速、110番を……」  スマホを手に持ち、部室を出て行こうとする七条君を俺は全力で引き留めた。 「ちょっと待ってくれ! 確証も無いのに警察沙汰にする気かよ!」  俺はこう見えても大学三回生、就活を控えている身だ。警察沙汰を引き起こして、挙句に勘違いでしたなんてことになったら……。退学程度じゃ済まない。確実に今後に響くだろう。だが、そんなことは知ったこっちゃない一回生の七条君は、俺の掴んだ手を振り解こうと暴れる。 「先輩、今の話をちゃんと聞いていたんですか? 大学で犯罪行為が行われようとしているんです! それとも、先輩は犯罪行為を見過ごすような最低な人間なんですか?」 「ひとまず、落ち着いてくれ。警察を呼ぶのは早すぎる! もう少し、様子を見て……」 「もういいですよ! 僕が行きますから。手を離してください!」  ドン! と何かが俺の肩にぶつかり、その衝撃で俺の体は後ろによろめいた。何だろうと思って前方を見ると、「やってしまった……」という血の気の引いた顔の七条君が。彼の左手は前方に突き出しており、俺は彼に突き飛ばされたのだと理解する。俺は思いっきり、後ろの壁に激突した。  そして眩暈。視界がぐらっと揺れ、目に見える景色が万華鏡のように乱反射した。同時に妙な感覚にも襲われた。自分はこの出来事を一度体験しているような感覚。既視感(デジャヴ)のような妙なイメージ。  途端に頭の中でジグソーパズルの最後のピースが完全に嵌まったような気がした。 「先輩、大丈夫ですか! つい、勢い余って。本当にごめんなさい!」  今にも泣きだしそうな顔で俺を心配してくれる七条君。そんな彼に俺は優しく声をかけた。 「いや、俺は大丈夫だ。気にするな。それより、今回の件だが、警察を呼ぶのは俺の推理を聞いてからでも遅くはないんじゃないかな?」  この台詞に七条君はピタッと動きを止める。 「N先輩、何か分かったんですか?」  俺は頷く。 「あぁ、君の話を聞いてて少し考えたことがあるんだ。言うなれば、俺の中に居る推理の悪魔が囁いたってやつだな。聞いてくれるか?」  七条君は少し考えるような素振りを見せたが、はぁっと溜息を吐いた。 「まったく。また、いつもの先輩の中に居る悪魔ですか? でも、まぁ、先輩の推理もちょっと聞いてみたいですね。推理の悪魔のお手並み拝見といきましょう」 4 「さて、七条君。君は男の行動の奇妙な点を四つにまとめていたね。そのうちの一つは憶測でしか語れない。しかし、他の三つの行動についてはある程度、真相を追究することができるんだよ」 「え? どういうことですか?」  態度を落ち着かせた七条君は部室の椅子に腰かけながら、訳が分からないという顔をする。 「まぁ、待て。ちゃんと順を追って話すから。まず、憶測でしか話せないのが大量の本を持ち歩いている理由だ。まぁ、これについても考えはあるけど後で話そう。先に話さなければならないのは、慌ただしい一気飲み、本を磨き上げる行為、更衣室とシャワー室に向かった理由だ」 「最後のは明らかに犯罪じゃないかと思うんですけどね……」  まだ、納得できなさそうに俯きながら、七条君はブツブツ呟く。 「いや、その行動にも(れっき)とした理由があるんだ。例えば、更衣室やシャワー室に必ず備えられている物が必要だった……とかな。七条君はこういう部屋を使う機会が今までにあったかな?」 「えぇ、その施設なら体育で使いました。サッカーで汗だくになった後、シャワーを浴びて汗を流しましたね。で、タオルで体を拭いて……」  途端に何かを思い出したように、椅子から跳ね起きる。 「もしかして、ドライヤーですか?」  その答えに俺は大きく頷いた。 「その通り。更衣室やシャワー室には必ずドライヤーが備え付けられている。ところで、君に再び質問なんだが……。どうして、君はガタイの良い学生を瞬時にラグビー部だと判断したんだい? ガタイの良い奴が大勢居る部活やサークルなんて他にも沢山(たくさん)あるじゃないか?」  その質問に一瞬、七条君は戸惑いを見せたが、返答に時間はかからなかった。 「それは簡単です。ユニフォームを着てましたから。あれだけ大きくラグビー部の文字が書いてあれば、ここの学生でなくとも彼がラグビー部員であることは瞬時に理解できますよ。それがどうしたんです?」  俺はその答えに指をパチンと鳴らした。 「そう! そして、そこに大きな意味がある。更衣室やシャワー室を主に使用するのは、君のような体育を終えた学生か運動部の部員だ。だが、体育を終えた学生なんてピンポイントで探しづらい。ユニフォームを着たラグビー部なら素人目でも分かるし、外部の人間でも『運動部員なら更衣室やシャワー室の場所を知っている』ことは判断できるだろうね。その男は面識の無いラグビー部員に場所を聞く程、ドライヤーを使う必要があったんだ。ある物を乾かす為に」 「ある物って……」 「大量の本だよ」  俺は部室のテーブルの上に置かれていた、キャップが閉まるタイプのコーヒー缶を七条君に見せる。 「男が鞄から取り出した抹茶オレの缶はこの形状だったんだね?」 「はい、ちょうどそんな形でした。中身は半分くらい入っていて……」  俺はその言葉を遮るように話を切り出した。 「君は半分くらいといったが、言い換えれば取り出された缶の中身は半分程しか入っていなかったのだろう? ちなみに、俺の手にある同タイプのコーヒー缶は285cc内容量と書いてある。半分は約142ccだ。枡一つの容量が180ccだから、それに近い」 「何が言いたいんですか? まさか……」  七条君のその台詞に、俺は確信を持って次の台詞を口にした。 「そう、男は不思議な行動なんて取ってないんだ。のだから。休憩所で抹茶オレを飲んで一息つこうと思った男は、そんな状態の鞄を見て慌てただろうね。鞄だけならまだしも、中に入っていた十冊の本にも、枡一杯に近い量の液体がかかってしまった。抹茶オレなんて濡れるだけではなく、色や匂いも付く飲み物だ。一刻も早く、抹茶オレの缶を処分して本の応急処置に動かなければならない」  成る程と七条君は頷く。 「だから、一気に缶の中身を飲み干して処分したかったんですね。本や鞄をこれ以上、汚さない為に」 「そうだ。そもそも、仮に男が本を大量に持ち歩く趣味を持っていたとしても、大学の休憩所という場所で見せびらかすように全部の本を出す必要はない。自分が読む一冊を取り出すだろう。十冊全部の本を外に出したのは、濡れた本を外に出して乾かす為だ。ハンカチで本を磨いていたというのも、実は濡れた本をハンカチで拭いていただけ。本が新品のように綺麗に光っているように見えたのは、本の表紙に付いた液体の水滴が照明の光に反射したからだ」 「じゃあ、本をしまう際にレジ袋に入れ直したのはどういうことです?」 七条君から唐突に質問が来たが、その質問も想定内。 「鞄も濡れていたからだよ。ひとまず、ハンカチで拭くなり外に出すなりして、ある程度は乾いた本を湿った鞄に入れたくはない。偶然持っていたレジ袋で本を覆って、再び本が濡れる事態を防いだんだ。だが、一度濡れた物を手作業で完全に乾かすことは不可能。そこに一目でラグビー部員だと分かる人間が現れた。男はこう考えただろう。『運動部の更衣室かシャワー室ならドライヤーがある筈。何とか借りられないものか』とね」  俺の話を聞いた七条君は小さく頷いた。先程までの懐疑的な表情はすっかり消え去っていた。 「そして、男はラグビー部員にドライヤーのある場所を聞き、濡れた鞄を見せて、使っても良いかどうかを確認した。納得したラグビー部員はすぐに場所を教えて、男は濡れた物を乾かすべく足早に更衣室へと去っていった……」  そして、パチパチと手を叩き拍手した。 「お見事な推理です。どうやら、僕の推理は少し飛躍し過ぎていました。警察を呼ぶ必要はないですね」  彼のその言葉に俺は安堵した。ひとまず納得してくれたようだ。  すると、今度は何かを期待したような目でこちらを凝視してくる。何だろうと思っていると。 「N先輩、男が大量の本を持っていた理由は何です? 一応、考えはあるんですよね?」  そういえば、その説明を忘れていたことに気づく。俺はコホンと咳ばらいをして、推理を再開した。 「あぁ、それに関してはあくまで想像するしかない。でも、君の述べた状況説明と周囲の環境を考えれば、ある程度の予想はできる」 「周囲の環境……ですか?」  訳が分からないという顔の七条君に俺はある事実を突きつけた。 「今、俺たちがいるのはだ。そこまではいいかい?」 5  七条君は「突然、何を分かり切ったことを言っているんだろう?」と言いたげな表情をしているが、冒頭での状況説明では述べていなかった。  「場面は推理小説研究会」と述べたが、もう少し具体的に言えば、京都の御所近くに拠点を構える大学の推理小説研究会の部室である。  だが、説明し忘れたとはいえ、いくつかの手掛かりは示されていた。まず、七条君が俺の大好物のカールをコンビニで買ってきてくれるという部分。2017年からはカールは西日本以西でしか販売されていない。コンビニでカールが買えるというのは、この場所が関西地方にあるという証拠である。  それに、俺たちの学年を示す際に「一年生、三年生」ではなく「一回生、三回生」という表現を用いた。実は関西地方では、大学の在籍年数を「回生」で表現するのがメジャーである。元々は京都大学に由来し、京大が卒業までに一定の科目を履修する「科目制」を採用したことが始まりらしい。これも、ここが関西地方である証明になる。  他にも、七条君のいくつかの台詞から読み取ることができただろう。先程、七条君が事の顛末を語る場面で 「大学見学の人や観光客が……」 と言っていた。そもそも、普通は大学に観光客が入ってくることなど珍しい。ましてや、一眼レフを持った人が敷地に入りなどしたら瞬く間に通報されてしまうだろう。しかし、この大学の周囲には観光地も多く、大学自体も歴史があり、校舎がレンガ造りでオシャレな雰囲気を醸し出している。それ故に、(たま)に観光客が観光ついでに見学や撮影に訪れる。通学で使うバスや電車でも多くの観光客を見慣れているので、咄嗟に観光客という言葉が出てしまうのは京都ならでは。  また、最初の方に話した七条君の自己紹介での 「実家が老舗の料亭で、市内にあるので機会があれば食べに来てください」 という台詞。この台詞に関して俺は嫌味な台詞と言ったが、京都に詳しくない人は家の自慢を嫌味と言ったのだと捉えてしまったかもしれない。しかし、京都だと少し意味が違ってくる。  京都には京都カーストという、住んでいる場所によっては羨ましがられたり、逆に馬鹿にされたりといった選民思想のようなものが存在している。実は俺は宇治市に住んでいるのだが、それを自己紹介で述べた際に、彼は先の台詞を口にしたのだ。宇治市は洛外と呼ばれている地域で、京都市内に住んでいる人の中には「京都ちゃう」と認識している人もいる。七条君の実家は左京区の下鴨神社近くにあり、市内の中では中の上くらいの位置づけなのだが市内の老舗であることには違いないので、洛外に住んでいる俺に対してあのような台詞が出てくるというわけだ。  「ここの人間なら古本市で……」という台詞もあったが、京都で古本と言えば「下鴨納涼古本まつり」という大規模な古本市である。下鴨神社近くの糺の森で毎年行われ、京都人が希少な古本を手に入れるためにドッと押し寄せる。七条君の実家の近くで行われるということもあるが、京都人が古本と聞けば真っ先にこのイベントを連想してしまう為、このような台詞が出てきてもおかしくはない。  以上、この場所が京都であることの証明終了。 「でも、ここが京都であることと、男が大量の本を持ち歩いていたことと何の関係があるんですか?」  七条君が首を傾げる。ここが京都だっていうヒントがあれば想像できそうなものだと思うが……。 「京都に来る旅行者が複数の本を持ち歩くといったら、アレしかないだろう」  七条君はポンと手を打った。 「あぁ、そうか! ガイドブック!」  その答えに俺は頷く。最近のガイドブックは一県一冊ということはない。京都だけでも複数の出版社が出しているし、同じ出版社でも女子層やシニア層など対象(ターゲット)を変えて名所(スポット)を紹介する為に、複数の京都ガイドブックを出版している。しかも、最近は文庫本サイズのガイドブックもあるらしく、二、三冊程度なら複数持ち歩くということも充分に考えられる。 「でも、先輩。確かにガイドブックを旅行者が持つことは考えられます。でも、十冊全部が京都のガイドブックっていうのは無理がありますよ。そんなに多くの情報を仕入れたって回り切れなきゃ意味ないです。それに、いくら文庫本タイプのガイドブックでも十冊もあれば、流石にかさばりますよ。そんな物、好き好んで持ち歩きますかね? 十冊必要だったとしても、電子版を買えば済むことじゃないですか?」  七条君はまだ腑に落ちない顔をしている。そう、この点は俺も悩んだ。ガイドブックだとしても、好き好んで十冊も持ち歩くような人間がいるとは思えないし、そもそも、様々な場所を歩き回る旅行において、大量の荷物は邪魔にしかならない。しかし、 「発想の転換だよ。好きで持ち歩いているのではなく、どうしても持たざるを得ない状況にあるとしたら……」 「十冊のガイドブックを持ち京都中を歩き回れ。さもなきゃ爆破するぞって脅されたということですか?」  七条君の咄嗟のボケに俺は椅子から滑り落ちてしまった。我が後輩ながら発想力が変な方向に向かっており、心配になってしまう。 「どうして、君は犯罪に話を持っていこうとするんだ! もっと現実的に考えなよ。例えば、沢山の本を持ち歩いて京都の名所を調べ上げ、写真を撮ることが必要な仕事だと考えればどうだ?」 「成る程! 仕事ですか。もしかして、カメラマンとか?」  今度はまともな発想で安心した。だが、まだ甘い。 「カメラマンなら大量の本を用意する必要などない。スマホで画になりそうな場所を調べれば済むからね。しかし、男は大量のガイドブックを持ち歩いていた。それは名所の位置だけでなく、その場所はどんな所なのか、何が行われているのかを明確に知る必要があったからだ。それはに必要だったんだよ。つまり、男の正体は作家かドラマのシナリオライターだと予想できるね」  これが俺の出した結論だ。作家であろうとシナリオライターであろうと現実世界を創作の舞台に使う場合、取材旅行を行うことは必然。そして京都はウチの大学の外観を含め、画になる名所が数多く存在する。これまでも、ドラマやアニメで京都を舞台にした作品が数多く世に出された。 「ちょっと待ってください。それは矛盾していませんか? 何処で何が行われているかの情報だってスマホで簡単に調べられますよ。それに先程も言いましたが、電子版で購入すればわざわざ重い本を運ぶ必要はないんですよ」  いきなりの七条君の反論。だが、その程度では俺の論理は崩れない。 「いや、スマホの情報だとデマも多いし、検索の仕方によっては偏りが出る。その点、出版された本からの情報ならデマは無いし、偏った情報収集を避ける為に複数の本をわざわざ持ち歩いていたんだ。それにデジタルだと付箋を貼ったり、書き込みをすることができないじゃないか。作家やシナリオライターなら取材先で色々と書き込んだりするだろう。最近はメモもデジタルで出来るらしいけど、年配者であればペンで紙に書き込むというアナログな手法に慣れ親しんでいる人もいるからね」  反論が見事に論破され、七条君の顔は悔しそうな表情になる。俺は得意げに推理を続けた。 「ちなみに作家かドラマのシナリオライターのどちらなのか。あくまで想像だが、俺はシナリオライター説を推すね。作家の多くはパソコンのワードで文章を書く。思い付いたあらすじや台詞などを忘れないように、すぐに残しておく必要があるからパソコンは常に持ち歩いている筈だ。だが、男は鞄が濡れた時、パソコンを気にする素振りはなかった。つまり、パソコンを普段から持ち歩かないドラマのシナリオライターだと考えられる。Q.E.D(証明終了)だ! どうだ、俺の推理は!」  格好良くキマッたと思い、俺は胸を張る。目の前には尊敬の眼差しに満ちた後輩の姿が、と思いきや、その後輩は冷たい眼差しをこちらに向けていた。 「最後の最後でやらかしましたね。最近はスマホで小説を書く人もいますし、シナリオライターだってパソコンは使いますよ。それに職業に関係なく、ただ単にその時にパソコンを持ってなかっただけかもしれないじゃないですか。流石はN先輩! 肝心なところでアホなずっこけ方をしましたね!」  確かに、我に返ってみれば最後の推理は強引だったかもしれない。だが、後輩にここまで言われれば引き下がれない。 「ほう? 後輩のくせに俺の推理にケチをつけるつもりか?」 「いや、ケチをつけるも何も。あくまで想像だがって先輩が言ってたじゃないですか」 ぐっと言葉に詰まる俺。仕方ない。こうなりゃ自棄(やけ)だ! 「よし! ならば賭けようじゃないか! 男が作家もしくはシナリオライターで取材に来たとなれば、近いうちに京都を舞台にした作品が公になるだろう。それがドラマか映画なら俺の勝ち。小説だった場合は七条君の勝ちだ。賭けの賞品は、負けた方が勝った方に四条で焼き肉を奢るというのはどうだ?」  その言葉に後輩の冷たい眼差しが、一気に勝負師の熱い眼差しに変わる。ギラリと光ったその眼は、ネズミを狙う野良猫のようだ。 「分かりました。いいでしょう! 後悔しても知りませんよ」  その挑発的な言葉に、俺も負けじと啖呵を切る。 「大丈夫だ! 推理の悪魔が『ここまで導き出したお前に間違いはない! 絶対にドラマか映画だ!』と囁いている!」 「また、先輩の悪魔の囁きですか。いつも、それで痛い目見てるのに! 本当に馬鹿な先輩ですね……。あっ!」  突然、七条君は何かに驚いたように叫ぶ。目線は部室の時計に向いている。此奴が部室に来てから、かれこれ四時間が経っていた。 「先輩、明日までの原稿。大丈夫ですか?」 「……この野郎! お前のせいで間に合わねぇ! どう責任取ってくれるんだ!」 「すみません! カール買ってきますから許してください!」 6  数週間後、俺と七条君は部室でのんびりとテレビを見ていた。  あれから、原稿はギリギリで間に合った。嵐を何とか乗り切った俺は戦士の休息を楽しんでいる。 「あ、N先輩! 見てください!」  突然、七条君が声を上げる。指を差している方を見ると、テレビでとあるCMが放送されていた。 「突如、にわか雨で鞄がびしょ濡れになった少女にハンカチを貸してくれたイケメン男子! ハンカチを返そうとするも、男は姿を消してしまう。手掛かりは彼が京都の何処かにいるという情報だけ! 彼にもう一度、会う為に少女は京都中を駆け巡る! 果たして少女はイケメン京男に再び会うことができるのか? 発売開始から二週間で累計80万部突破! 『京都を巡るハンカチと恋』は〇川文庫にて好評発売中!」  そのCMを見て、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべ、勝者の後輩はこちらを向いた。俺は膝から崩れ落ち、拳を床に叩きつけた。 「畜生! 推理の悪魔め!」  (第一稿 終幕)    
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