『湖水の町』

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窓ガラスを打つ雨の音が激しくなり、ようやく目を覚ました。 べットの中から体をまわして目覚まし時計の時刻を見ると。『6:30』と デジタル表示がされている。 そろそろ起きて、仕事に行く準備をする時間だ。 久さしぶりに昔の夢を見た。 あれから10年・・・・ 哲也と過ごしたあの強烈な夏の思い出の日々、今も鮮明な記憶として蘇る。 北山にあのダムが出来た事により、この地域の河川の利水ー治水環境が整い。 水力発電による電気の供給も出来、今の僕らの生活がある。 ダム建設の為、住んでいた土地を離れなければならない人達がいたことも確かだ。 そして、今の生活が当たり前のようにあって、その時間の中で生きている僕らがいることも確かだ。 僕と哲也は郵便局前のバス停でバスに乗ると、今日も北山ダムの水力発電所に 向かう。 『水底に沈んだ故郷』の上に立って、今日も仕事をしている。
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