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「、、つ、次、探偵部。」
新聞部により静まりかえった体育館に、司会を務めていた西野の明らかに動揺した声が響く。彼女のつり目がちの瞳が大きく見開かれ、相当怒っている事が伺えた。
怒るとしたら新聞部に、か。入学式を作り上げているのは確実に生徒会だろう。それを虚偽と言われたのなら、自分たちが嘘を付いていると宣言されたも同然だ。
それにしても『虚偽の集塊』とは何を意味しているのか。
「ねえ、あの人、、、」「怖そう」そんな周りの声で、自分の世界に没頭していた思考を戻す。
周りの新入生の視線の先には、鼻まである長く伸びた前髪を揺らしながら、ポケットに手を入れてゆっくりと壇上に上がる男子生徒がいた。一歩一歩の足取りは重く、明らかに乗り気でない様子だ。彼の態度から読み取れる感情を代弁するなら、「めんどくせえ」や「だりい」が正解だろう。
探偵部という部活動こそ珍しく感じると思うが、この学校に探偵部があるのは有名だ。10年ほど前に、この地域で起きたある事件の犯人を独自で暴き、テレビのニュースや新聞で大々的に報道されたのである。
「俺たち探偵部は三年生二人、二年生三人の計5人で活動している。、、、俺たちが真実を導き出す。」
やっと壇上に上がった前髪の長い、寝癖頭の男ーーー探偵部部長はそう言った。
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