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「――事情はわかった。わかったけど、おしおき!」  ベッドに正座したまま全てを打ち明けた晃平に、瞬がデコピンをする。強くはなかったけれど反射的に晃平が額を擦った。 「ごめん、瞬……」 「謝るのはもういいよ。晃平の気持ちはすげー嬉しいし。でも、頑張る方向まちがったな、晃平」  瞬の長い腕が伸び、晃平の裸の体を後ろから抱きしめる。触れ合う肌が心地よかった。一人じゃない――そう思える温もりと力強さに晃平は寄りかかった。 「でも……他に方法が見つけられなくて」 「いくらでもあるよ。俺を頼るとか、俺を頼るとか!」  瞬の言葉に晃平が笑い出す。 「頼られたかったんだ」 「当たり前だろ。男なら、好きな奴に頼られたいさ、誰だって。違うか?」 「うん、そうだね。そう思う」 「だろ? 晃平にお願い、なんて言われたら何でもするよ、俺」 「なんか瞬が言うと下ネタに聞こえる」 「まあ、そっちのお願いの方が好きだけどな。でも、真面目な話、一人で考えて行き詰っても、二人なら何とかなるかもしれないだろ?」  瞬は晃平の髪にキスをしながら言った。晃平がそれに頷く。 「今からでも遅くないかな?」 「おう、頼れ、頼れ」  見上げると、瞬が気鋭な顔で笑っている。晃平はその顔を片手で引き寄せた。 「じゃあ、お願い、瞬。力貸して」  ゆっくりと口付けてから離れると、瞬が優しく微笑んだ。 「……もう一回してから考えよう」  瞬はそう言うと、晃平の体をシーツの海に引きずり込んだ。
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