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部屋には希の嬌声と、結合部からの音、肌がぶつかる音、呼吸音などが充満している。
念珠郎の腰の動きはどんどん速くなっていき、たまらずに希は目をぎゅっと閉じた。
何も考えられないほどとろとろに溶かされて、ただ念珠郎だけを感じている。
腰周りに溜まっていく熱が、そろそろ限界を迎えようとしていた。
「んっ、もう、僕、っ、いきそ……っ」
「俺もです。……希、大切なことを訊いておきますね」
「あっ、っ……大切な、こと?」
念珠郎は少し腰の動きをゆるめた。それでも中を突きながら話す。
「今ならなんとか間に合いますが、これ以上進むと、もう後戻りはできませんよ」
「あっ……んっ」
「それでも、俺を受け入れてくれますか?」
念珠郎がじっと見てくる。
そのひどく美しい顔に手を伸ばした。
「受け、入れるよ、っ、念珠郎」
答えた瞬間、念珠郎が腰を深く沈めた。
ずん、と奥まで貫かれて、頭が真っ白になる。
「あああ……っ!」
体に蓄積された熱が、一気に弾けた。
背中を大きく反らして達する希から少し遅れて、念珠郎も果てる。
「……っはあ」
「――っ!」
どくどくと熱いものを注がれた。
それが精液ではないのはすぐにわかった。中に広がるそれは、希の体に浸透していく。溶けて手足の指先まで広がっていく感覚が気持ちよすぎて、神経に鳥肌が立つかのようだった。
「あ、ああっ」
鋭い快感が駆け抜ける。目の前がチカチカしてきて、希の意識は途絶えた。
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