2

6/6
前へ
/23ページ
次へ
 部屋には希の嬌声と、結合部からの音、肌がぶつかる音、呼吸音などが充満している。  念珠郎の腰の動きはどんどん速くなっていき、たまらずに希は目をぎゅっと閉じた。  何も考えられないほどとろとろに溶かされて、ただ念珠郎だけを感じている。  腰周りに溜まっていく熱が、そろそろ限界を迎えようとしていた。 「んっ、もう、僕、っ、いきそ……っ」 「俺もです。……希、大切なことを訊いておきますね」 「あっ、っ……大切な、こと?」  念珠郎は少し腰の動きをゆるめた。それでも中を突きながら話す。 「今ならなんとか間に合いますが、これ以上進むと、もう後戻りはできませんよ」 「あっ……んっ」 「それでも、俺を受け入れてくれますか?」  念珠郎がじっと見てくる。  そのひどく美しい顔に手を伸ばした。 「受け、入れるよ、っ、念珠郎」  答えた瞬間、念珠郎が腰を深く沈めた。  ずん、と奥まで貫かれて、頭が真っ白になる。 「あああ……っ!」  体に蓄積された熱が、一気に弾けた。  背中を大きく反らして達する希から少し遅れて、念珠郎も果てる。 「……っはあ」 「――っ!」  どくどくと熱いものを注がれた。  それが精液ではないのはすぐにわかった。中に広がるそれは、希の体に浸透していく。溶けて手足の指先まで広がっていく感覚が気持ちよすぎて、神経に鳥肌が立つかのようだった。 「あ、ああっ」  鋭い快感が駆け抜ける。目の前がチカチカしてきて、希の意識は途絶えた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

273人が本棚に入れています
本棚に追加