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次に目が開けたとき、つむりは、家の天井を見上げていた。
「はっ?ここ、どこ?私の…部屋…じゃ、ないよね?」
体を半分起こして、周りを見た。
見たこともない、ホワイトとダークブラウンを基調とした、ちょっとアン
ティーク調の家具類に、無駄なものを置かない広々とした室内。
無造作に床に置き飾りしてある見たこともない絵や本棚にぎっしりな本。
明らかに言えるのは、女性の部屋ではない、男性の部屋だ。
頭全体がズキズキする、それに重い、何か貼ってある、大きめの絆創膏だ。
“昨日、どうしたっけ?仕事おわって、バーに寄って、マスターと話して
…”記憶をたどる。
“ああ…、何か、途中で入ってきた、ちょっと格好いいお兄さんに絡んで、
ご馳走になって、謝って…それから、それから…”
うっすらモヤのかかった記憶は、途中でインパクトと共に途切れた。
つむりは、思わず自分を疑った。
「えっ?ちょっと待って、最後に盛大に私、椅子から、こけたよね?それ
からの記憶…ないんですけどぉ??」
頭に手をやって、背中にかかる髪を嫌々していたらドアがノックされた。
「えっ…あ、はい」
思わず反応してしまい、かけてある布団を手繰りよせる。
別に裸とかでもないし、昨夜のワイシャツにパンツ姿のままだ、ジャケッ
トも目の前にバッグと共に吊るしてある。
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