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「なんかあったのか?明里に元気がないと心配になるからさ」
あたしの振る舞いがあからさまにおかしかったのか、綾人は相変わらず問いかけることをやめない。
…なんかあったのか?じゃないわよ。
こっちの気も知らないで。
不安にさせておいて優しい言葉一つで惑わされそうになってる自分に腹が立つ。
『なんもないってば…!』
思わず…声を張り上げてしまって、綾人はムスッとした顔になった。
「どうしたって言うんだよ。急に…」
『ちょっと疲れてるだけ…ごめん。寝るね』
ダメだ…このまま一緒に居たら、綾人のボロが出る前にあたしが感情を表に出してしまいそう。
立ち上がって、寝室へと逃げ込んだ。
布団に入って、ふかふかな枕に顔を押し付けた。
…また泣きそうになってるし、あたし弱っ。
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