疑惑の皐月

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えっ…と…どちらさま…? なんて聞けないし。あたしは微笑を浮かべた。 「あれ、綾人じゃん!」 女性は綾人を見るなり、綾人にも声を掛けてきた。 どうやら綾人のことも知ってるらしい。 「おぉ、白井。久しぶりだな」 白井…?その名前には、覚えが…ある。 昔コンビニのバイトで同じシフトに入っていた白井さん! 昔はかなりギャル系だったから、別人過ぎて気づかなかった。 『あっ、お久しぶりです』 「なになに?二人が一緒って…まさか…?」 白井さんはニヤニヤしながら、あたしと綾人を交互に見ている。 「あぁ付き合ってる。明里は俺の彼女だけど?」 「そうなの〜?綾人ずっと明里ちゃんのこと好きだったもんね! 私がフラれた理由もよくわかるわ」 この人は冗談でそれを口にしてるのか、真意は分からないがゲラゲラ笑ってる。あたしのメンタルだけがシビアな状況だからか…全く笑えない。
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