13 何でもないから(要くん目線)

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13 何でもないから(要くん目線)

 僕は結構嘘つきだと思う。嘘ついて悪い事はしたことないけど、しらばっくれる事ぐらいはする。  まさか綾香さんに嘘をつくとは思わなかった。  朝、目が覚めた綾香さんの後を追ってキッチンに向かう。  服を着たら朝食を食べさせられて帰らされてしまうなって、——この時点で衝動的な気持ちに駆られてたと思う。 「綾香さん……」って、昨夜脱がされたまんまの格好を見せたら、綾香さんどんな反応するのかなって、好奇心が先走った。  綾香さんは、僕の身体は好きみたいだから。「部下のわんこ君は」ってのを外せたらチャンスがあるって思ったし。  キッチンの綾香さんに声をかける。 「綾香さん……」  驚いた綾香さんは、化粧をしていなくて同じぐらいの年齢の女の子に見えた。油断した姿がそそられてドキッとさせられる。 「何でもないから気にしないで」  って、バカだなぁ……何もしてないぐらい分かるって。男の生理現象ぐらい分かんないかな?  そこは、「最後までしていないから許して」でしょ? 自分が痴女みたいな事したのを恥ずかしがるから言い方間違えてるよね。  綾香さんのに僕は図に乗った。  綾香さんが言い訳と謝罪をしようとする唇を塞いで、抱きしめると綾香さんは僕が驚くほど無抵抗だった。 「綾香さん……」 「う、あぅ、ん」 僕の指を待つような柔らかく揺れる綾香さんの身体。うっとりしながら怯える綾香さんが、本当ヤバい。  身体を押し付けて、僕の熱いところが綾香さんの下腹部に当たるとビクって反応して膝から崩れそうになるとか、……もう我慢出来ない。
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