オーマイ

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結局…… 「14番の方どうぞ」 中谷君の眼鏡屋さんに付き合うことに。 「はい」 「1メートルまっすぐです」 「ありがとう。大丈夫そのくらいは見えてるから」 クスリと笑って、 カウンターに歩いて行った。 ユックリと歩く姿はいつもの自信の塊のような彼とは別ものだ。 「あんなに視力悪いとはね?」 おでこに 絆創膏なんてレアすぎる。 中谷くん。 中谷卓君は中学生の時。、隣のクラスに転校してきた。 その頭脳とルックスと運動神経、 どれをとっても優秀で、 みんなのあこがれの的になった。 家柄もなんだか大きなゼネコンの社長のお孫さんらしく、 まさに王子様を地で行ってる。 なぜか幼馴染のゴロちゃんと仲良くなって、 もっといい進学校に行けるはずなのに、 うちの高校に特待生で入学した。 モデルなんかにもスカウトされてるらしいとクラスの子が言ってたな。 どうやら断り続けているらしい。 まあ、凡人の私とは無縁の人だ。 でも、成績は負けてない、 いや負けたくないと対抗心はある。 彼は何でも持っている、しかし、 私には誇れるものは勉強しかない。 ちなみに私も特待生。 そのために進学校へは行かずここに通っているのだ。 特待生は授業料タダだからね。 成績っそうあの物理の成績は私にとって一大事なのだ。 特待から外れでもしたら何のためにこの高校にしたのかわからないのだから。
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