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今朝。
僕が奏に抱かれているところに、天音が現れた。そして、二人が喧嘩になるところを僕が止めた後、二人は、僕に話があるといったのだった。
僕たちは、急遽、体調不良で学校を休むことにして、僕の部屋で話し合うことになったのだが、口を開いた二人が言うことには、自分達は、異世界から来たのだということだった。
二人とも、難しい年頃だ。
そんなつもりになってしまっているだけだろうが、邪険にするわけにはいかないだろう。
僕は、二人の話に耳を傾けることにした。
それによると、二人は、僕の書いているファンタジー小説『神々の地と二人の剣の王』の世界からこの世界へと転生してきたのだという。
滝本 天音が、二人の剣の王の内の一人、ケイレスであり、五月 奏は、もう一人の剣の王、スレイアスなのだという。
二人は、女神セナの命により、この世界へと花嫁を探しに来たのだという。
その花嫁が僕なのだと二人は、言うのだ。
本当に。
正直言って、すごく、迷惑な話だった。
こんな変な、ありえない理由で、僕は、この二人に好きなようにされたのだ。
僕は、心を強く持った。
ファンタジー小説の世界にのめり込み過ぎた少年たちの妄想に、これ以上、付き合うことはできない。
僕は、二人に、はっきり、きっぱりと言い放った。
「君たちが僕の書いた小説のことをそんなに気に入ってくれているのは、うれしいけど、『ごっこ』にこれ以上、付き合うつもりはないから」
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