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「そうなのか」
征一郎は、僕の肩に手を置いて、僕の顔を覗き込んだ。
「お前が、それでいいなら、俺は、何も言うつもりはない。本当は、子供とはいえ、しっかりと罪を償わせたいところなんだが」
征一郎は、僕の肩に置いた手を上に上げていって、僕の頬を包み込んだ。
「真弓、俺じゃ、お前のパートナーには、ふさわしくないか?」
「そんなこと」
僕は、顔が熱くなってくるのを感じていた。征一郎の手が優しく、僕の頬に触れた。
その感触に、僕は、ぼぅっとなってしまた。征一郎は、そっと、僕に口づけた。僕は、胸の高鳴りを押さえることができなかった。征一郎は、徐々にキスを深めていき、そっと、僕の口の中へと舌を差し入れて、僕の中を味わっていた。
「ふぁっ・・んっ・・」
僕は、キスにたどたどしく応じながら、体の奥が熱くなってきていた。なんだかわからないけれど、体の最奥がじんじんと疼いていた。
ああ。
おそらく、僕が、あの二人に抱かれてしまったから、だ。
僕は、頭が冷めてくるのを感じた。
今までの何も知らなかった僕じゃないから、こんな風に体が熱を持ってしまうのに違いなかった。
僕は。
僕は、そっと、征一郎の体を押し退けて、キスをやめさせた。
「ごめん」
「真弓」
「僕は、あの二人に、無理矢理・・」
僕が、言いかけたのを征一郎がキスで封じた。征一郎に激しく求められて、僕は、頭が真っ白になって、宙を漂っているような気持ちになった。落下してしまいそうな怖さに、僕は、ひっしと征一郎にしがみついていた。気がすむまで僕を味わった後、征一郎は、僕から離れた。僕たちは、熱く乱れた呼吸を整えながら、お互いを見つめあった。
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