6 憂鬱な花嫁と魔王の告白

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6 憂鬱な花嫁と魔王の告白

最初の中間試験が終わった。 僕は、憂鬱だった。 一つは、あの二人のことだった。 いくら会わないように避けていても、毎日、同じ寮で寝起きし、一緒の食堂で食事をしているのだ。会わずにはいられない。会えば必ず、二人は、僕に、人目も憚ることなくセクハラしてくるし、あまり、厳しい態度で接すると、露骨に傷ついた表情とかされて、僕の方が、心が痛んでしまう。 どうしたものかと悩んでいる僕は、学校でもため息の数が多くなる。それに気づいた征一郎が声をかけてくるのだが、これが、二つ目の憂鬱の理由だった。 古い付き合いの僕らは、友人だということも他の人たちによく知られているし、今まで、つるんでいることも多かった。 だけど、少し、事情が変わってきた。
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