令和2年1月25日

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『明晰夢』 記憶にあるのは、とある駅の入り口からだ。 紅色に染まり、周囲には人がまばらに居た。 私はそこで電車が来るのを待ちながら、駅名に目を向ける。 知らない駅名だ。 つまり、ココは私の住む場所とは、ある程度離れている事になる。 いや、そもそもこんな駅名本当に存在するのだろうか。 何故かこの時私は、この世界が夢であることを自覚していた。 久々に見る『明晰夢』に多少胸を躍らせていたが、その時間はあまりにも短く景色がぐにゃりと歪み、私は暗い世界で目を覚ます。 見覚えのある部屋。 なるほど、現実に戻ってきたのか。 外は暗く、夜中にソファーで目覚めてしまった事を理解した私は、朦朧とした意識の中、近くにあるガラステーブルの上に置きっぱなしなっているはずのノートを手探りで探す。 駅名を忘れてしまう前にメモしておこう。 そして、朝になったら調べて、その駅名が存在するものなのかを調べてみよう。 そう思うが、中々ノートが見つからず、私はしぶしぶ起き上がった。 頭がぐらぐらと激しく揺れているのか、視点が定まらない。 眠い体を無理やり起こすとこうなるのかと思いながら、漸く見つけたノートに私は殴り書きの様に駅名を記し、又ソファーに倒れこむ。 ソレと同時に、私は駅名を忘れた。 ぎりぎりだったと思い、天井を見上げる。
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