令和2年1月25日

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扉を激しく叩く音で飛び起きた私は周囲を見渡す。 自分の部屋のソファーの上。 外はすっかり明るくなっており、昼ごろである事が理解できる。 「おい、居るのは分かっているんだ、早く開けろ!」 どうやら私は何者かに追われているらしい。 なるほど、3つ目の『明晰夢』は正に自分の好みの設定と言うわけか。 一先ず、何故追われているのかはさておき、ココは逃げるべきだろう。 「大家に合鍵もらって来い!」 「わお、賢い……」 外から聞こえる言葉にそんな反応をしながらも、反対側の窓の扉を開ける。 「おっと……?」 窓の外に乗り出すと、10階からの景色とそう変わりない世界がそこに広がっていた。 おかしいな、私が住んでいるのは2階のはず。 そう思っている中、鍵が開けられる音が聞こえる。 このまま足をこまねいては捕まる。 夢は何でもありなのだ。 そう思い、私は10階から飛び降りた。 着地は衝撃がないようにゆっくりと、そう思っていた為、まるでタンポポの種の様にふわふわと地面へと降り立つ。 上からは「くそっ、急いで追え!」と言う言葉が聞こえる。 「君達がココにたどり着くことはないよ」 そう、ココは私の『明晰夢』思ったことは何でも叶う夢の世界。 「すごい、お姉さんさっき空飛んでたよね!」 下にいた中学生くらいの男子3人が目を輝かせながら、私の元に近づいて来た。
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