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「母もあれで、人を立てるのが上手い。父を何とか励まして暮らしてる」 「偉いわぁ」  浮気三昧の夫を許し、それでも寄り添って優しく出来るなんて、普通出来たものじゃない。素直に関心した。よく出来た人だ。 「お陰で、いい年して父と母は若いふたりのように、仲良しになってしまった。毎日見てられんよ。全く。いい年して何考えてるんだか」  村井君はこめかみに指を当て、頭上を仰いだ。  お父さんが心から愛しているのは、村井君のお母さんなのだろう。
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