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ここの店ではホットケーキを注文するお客さんが多いので、一回分の薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖を合わせてふるったものを、袋の中にひとつひとつ入れていた。
「君はホットケーキも作れるのか?」
眉を潜めたままの相変わらずの不機嫌顔で問われる。
「あ、うん、一応ね。ここでバイトして、ママに初めて教えてもらって、作れるようになったの」
ボウルの中で生地はクリーム色になった。泡立て器で回していてもねっとりした感触になる。
フライパンにおたまで生地を流し入れたとき、ふと村井君のほうに視線が行く。彼はジッと私がホットケーキを作るのを物珍しげに見ている。
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