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 すぐに土曜日はやってきた。この数日間、特に付き合っているらしきことはしていない。いつもの日常と変わらなかった。  学校では交際を秘密にする訳ではないけれど、一定の距離を取り、ベタベタしないと私達は決めた。  ただ変わったことと言えば村井君は私がバイトの日は、必ずバイト先の喫茶店に立ち寄ってくれることになった。バイトが終わったあと、食事をしてふたりで過ごす。  これが出来たのは土曜までの間でたった二日だけど、それでも私は満足。  楽しみにしていた土曜日は、バイト終了後一緒に銀座へ向かうことになった。赤羽駅から有楽町まで京浜東北線で一本。  三十分後着いた銀座の街は、既に大人の雰囲気が街に漂っていた。上品なネオンの光があちらこちらから、漏れてくる。
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