319人が本棚に入れています
本棚に追加
「斉藤さんは群馬で暮らすことになったんだよ。もう父と会うことはないだろうな。あるとすれば、淳二の結婚式のときくらいだ」
「そうなんだ……」
村井君のお父さんにとっては『妾』ではあるものの、一応『妻』だ。妻に裏切られ、それはそれは日々、意気消沈したとのことだった。
斉藤さんはお金持ちの妾よりも、堅実な人生を選択した。
「これで、父も女性の気持ちを父は分かったんじゃないかな」
短く嘆息する村井君。
本妻のところへは帰らず、村井君のお母さんがほぼ『本妻』状態だそうだ。これを機に村井君のお父さんは『女遊び』が収まってしまった。良きことだ。
最初のコメントを投稿しよう!