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松原さんは飲んでいたクリームソーダを鼻から吹き出したくらいだ。大袈裟なリアクションを取るくらい、唐突だった。相手が普通の男の子なら、ふたりともここまで驚かなかった。
相手が『サラブレッド』だからだ。
「だって……。何だかよく分からないんだもの。結局春休み中は一度も、連絡来なかったし、バイトしてる喫茶店にも来なかった。私も返事出来なかったし」
「やだぁ、何それ」
ゆっこは短く嘆息した。そして少し時間をおいてから後ろを振り向き、女の子に囲まれている村井君と、周りの女の子をここの位置からキッと睨んだ。全員、経営学部の学生達だった。ここの位置から睨んでももう、遠ざかっているのに。
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