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今になってそれに気がついた。私はついていけるだろうか。  その女性はギロリと私のほうを睨みつける。 (こわ……)  全く経験したことがないことばかり降りかかり、心の中は軽くパニックになる。何もかも脳が追いついていけない。 「この子は?」 「僕の彼女です」  村井君は敬語で対応した。私は仕方なく軽く頭を下げるしかなかった。私の背中は自然と硬くなる。しかしそのスチュワーデスは、無愛想にふん!と横を向き、向こうへ遠ざかって行く。  前川製菓の男性社員に声をかけられ、今とは全く違う態度で応じていた。 「な、怖いだろ」
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