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村井君はヒソヒソと私に耳打ちした。
「うん」
頷きながら、ふと思い出した。首元の口紅のことを。
「あの、もしかして貴方の首元の口紅は……」
「あぁ。全く困ったもんだ。彼女がつけた」
また私は立ちくらみがした。なんて積極的な人だろう。しかしその方法は逆効果だ。あまり積極的に異性に押すと、男性だって女性だって逆に嫌がる。
話によると彼女はアシスタントパーサー。スチュワーデスの中でも高い地位にある。お給料も高い。
「ったく、スチュワーデスとしてのキャリアは長いし仕事も出来るのに、何でこんな頭の悪い小娘みたいなことするかね。俺には分からんよ」
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