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 村井君は苛立ち、年寄り臭い台詞を言い放つ。辟易している様子だった。 「アシスタントパーサーかぁ。格好いいわね」  今度は違う目線で彼女を見た。今、前川製菓の社員と話をしている彼女は、男性に媚びるような話し方ではなくキビキビと感じよく接していた。先ほどの発した甘い声とは違った。  そんな私の台詞を聞いて村井君は、シニカルな笑みを浮かべるだけだった。 「彼女、国際線に乗ったときは、ファーストクラスの担当なんだ」 「飛行機の中で逆ナンされた?」  ファーストクラスを担当するのは、かなり優秀じゃないと乗れない。やっぱり彼女は光彩を放つ人なのだ。 「違うよ」
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