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 佳人すぎて女の私でも見とれるほどだ。頭も良い、容姿に恵まれているのに、性格までそれに比例する訳ではないということが分かった。あとのふたりはほんわかして、性格が良さげだった。多士済済の中で自分が一番落ちこぼれに感じた。  疲労し、帰りたくなっていると「お嬢さん」といきなり、話しかけられた。  我に返り慌てて「はい?」と、問い返す。  チャコールグレーの背広が似合う、村井君と同じくらいの長身の男性だった。世間慣れしている感じが全体に醸し出されている。短髪だが、少し伸びかけた前髪が整っている。  細面の輪郭が特徴で、目が二重。年は、二十五、六だろうか。 「貴女はスチュワーデスではなさそうですね」
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