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 翌週火曜日。  地にも空にも長閑に光が動き、陽光は眩しい日が続いた。気温が上がる日は空気に、土や花の匂いが混じっている。日曜日に一日、のんびりしたデートを村井君と堪能した。  気怠い月曜日が過ぎ、まだまだ怠い火曜日の朝。  一限から講義があるから、七時に起床した。全て身支度を調えた後、新聞に目を通した。衝撃的なニュースが目に飛び込んで来たのだ。  日本人初のノーベル賞作家、川端康成の自殺のニュースだった。逗子のマリーナマンションでの自殺だ。
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