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「寒いですね……」
二十分後、壱花と子狸たちはストーブを囲んで震えていた。
「アイスの食べ過ぎだねえ」
と笑いながら、高尾もストーブにあたっている。
同じくストーブの前にいる冨樫が壱花に向かい言った。
「お前ら、文字焼きでもなんでも、いつも作りすぎなんだよっ」
「冨樫……。
その『お前ら』の『ら』に俺も入ってないか?」
と冨樫の横でストーブで手を炙りながら、倫太郎が言う。
「ああっ、すみませんっ」
と冨樫は慌てて謝っていた。
入ってないと言えばいいだけなのに。
冨樫さん、莫迦正直だな~と思いながら、壱花は見ていた。
まあ、私なら、入ってないと言った瞬間に半笑いになってしまってバレるかな、と思う。
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