化け化けアイス

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「アイス、もうひとつ、どうですか?」 「いや、もういい」 と冨樫がアルミカップを返すと、壱花は食べ終わったサラリーマンからもそれを受け取りながら、 「アイス、もうひとつ、いかがですか?」 と訊いていた。 「いっ、いえいえ、もう結構ですっ。  ありがとうございますっ。  美味しかったですっ」  サラリーマンはそう言って断ったあとで、駄菓子をいくつか買い、寒い夜の街に身を震わせながら出ていった。  入れ違いに倫太郎がやってくる。 「ありがとうございますー」 といまいちやる気のない声でサラリーマンを振り返り言った倫太郎は、 「壱花。  買ってきたぞ」 と白いビニール袋を壱花に向かい突き出した。  中にはアイスの材料が入っているようだ。
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