知りたくなかった

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「じゃあどうして?」 「もちろん、日葵の態度でも気づいた。極めつけは誠真だな」 意外な言葉に日葵は驚いて目を見開いた。 「誠真? どうして誠真?」 いきなり出てきた弟の名前に、日葵は声を上げた。 「こないだ久し振りに飲んだんだよ。あいつ日本に帰ってきただろ?」 弟の誠真は大学を卒業後、壮一の父親である会社に入社し一年間アメリカへと行っていた。 「そういえば帰ってきたわね。あの子」 「あの子ってお前。誠真だって大人だろ」 壮一が少し笑って言ったのを聞いて日葵も、少し笑みを漏らした。
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