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「めちゃめちゃ怒られた。あの誠真に。大人になったな」
「そうだね」
怒ってくれた誠真の気持ちが嬉しくて、今度ご飯でもおごろうと日葵は思った。
「彼女もいるみたいだぞ。めちゃめちゃ好きな子を傷つけてアメリカに行ったから、これから時間をかけて償って信じてもらえるように努力するって。あの昔からモテまくって女をバカにしていた誠真からでた言葉かと耳を疑った」」
クスリと笑った壮一の言葉に、日葵も驚きを隠せなかった。
誠真は父親譲りなのか、適当に本気にならず軽い付き合いばかりしていた。
壮一はどちらかというと、女嫌いと行った方が正しいかもしれない。そんな二人の共通点はモテることだけで性格も真逆だ。
「そう、あの誠真が。会ってみたいな。誠真が初めて本気になった女の子」
姉としてそんな誠真が嬉しくて、ついスマホをひらくと誠真にメッセージを送る。
久し振りの穏やかな気持ちの日葵は、そっとスマホを手にしたまま眠りに落ちた。
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