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「そうですよね。もうすぐですね。プレスリリース。その後は完成パーティーもありますよね」
柚希の嬉しそうな声に反して、日葵は憂鬱になって行く。
あっという間の師走を迎え、クリスマスにプレスリリース。
もちろん王晦日のカウントダウンに合わせての発表の方がインパクトはあったはずだ。
それでも、何も言わず社内はクリスマスに合わせてと色々各所調整してくれた。感謝しかない。
日葵はそう思いつつ、頭の中でやるべきことを整理していた。
「長谷川!」
フロアに入ると一番に壮一の呼び声に、日葵はビクリと肩を揺らした。
週末のあの日以来、壮一とは顔を合わせてはいない。
どういうつもりで言ったのか聞きたかったが、どの答えを聞いても自分がグチャグチャになるだけのような気がして、何も聞くことはできなかった。
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