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(どうすればいいの?)
ただ自分の気持ちがわからず、日葵は当てもなく街を歩いていた。
さっきまで綺麗だと思っていたイルミネーションも目には入らない。
崎本のことはもちろん尊敬してるし、好きか嫌いかと聞かれればもちろん好きだ。
崎本といれば温かな気持ちになるし、穏やかな時間を過ごすことができる。
一緒にいれば楽しいし、生涯結婚するならば温かい家庭を想像することが出来る。
(チーフは……)
昔は大好きな完璧な兄であり、あこがれの人であった。今は頼れる上司、そしていつもイライラさせられ心が乱される。
負けず嫌いで、完ぺき主義で、弱い所を見せず冷たい人間。
でも……。
そこまで思ったところで、日葵は小さくため息をつく。
どう考えても崎本との未来の方が幸せだろう。そんなことは日葵が一番わかっていた。
でも、一つ返事で崎本にいつも答えることができない。
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