2720人が本棚に入れています
本棚に追加
/234ページ
「長谷川さん!」
驚いたような柚希の声に、日葵はハッとして自分の頬を抑えた。いつのまにか流れ落ちていた涙に気づかなかった。
「嫌だ、何度もみてるのに。大画面は迫力あるね」
言い訳のように言った日葵に、柚希は何か言いたげな表情を浮かべた。
「長谷川さんって」
「ん?」
聞き返した日葵に、柚希は小さく首を振り「なんでもありません」そう答えると切なげに微笑んだだけだった。
日葵も柚希に何か言葉をと思ったところで、その空気を壊すように大きなスピーカーからアナウンスが流れる。
「この後、完成パーティーに映らせて頂きます。飛翔の間にご移動をお願いいたします」
司会の言葉に、興奮したように話しながら出て行く人々を慌てて日葵と柚希も見送る。
その後、チームのみんなが待機していた部屋へと一度移動して、片づけをしてたところに、壮一が戻って来るのがわかった。
最初のコメントを投稿しよう!