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「長谷川さん、今日は崎本くんと一緒なのか?」
(こんな話、一社員にするものじゃないじゃない)
少しの苛立ちを隠しながら、仕事用の笑顔を張り付ける日葵に、母である莉乃も興味津々な瞳を向ける。
(全くこの二人は)
今でも仲が良すぎて困る両親の視線に、うんざりしながら答えずにいると、いきなり視界の隅にあった壮一の影がゆらりと揺れる。
「壮一!」
驚いたようについ名前を呼んだ父親のことなど全く気付かず、日葵は真っ青な顔で誠の腕の中に倒れこみ意識のない壮一に無意識に駆け寄る。
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