変化する関係

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少し時は遡る 壮一はドサッとベッドに身体を投げ出すと、何もしたくなくてただ痛い頭を鎮めるように目をつむった。 (日葵に言うつもりなどなっかたのに……) とうとう好きだと言ってしまった自分に、壮一は後悔しかなかったが、言ってしまったセリフは取り消すことなどできない。 日葵の驚いたような、呆然とした表情があたまを廻る。再会して崎本と一緒にいる日葵を見てから、はっきりと感じた感情に戸惑いつつ、あの夏の日、あれだけ日葵を傷つけたのだから、これからはずっと見守っていく。日葵の幸せだけを願う。そう決めていた壮一だったが、日葵に対する独占欲や嫉妬、そしてもっと触れたいそう思う気持ちを止めることが出来なかった。
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