変化する関係

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もう一度昔に戻りたい。そう思った事に嘘はない。しかし側に日葵がいれば無意識に手を伸ばしてしまう自分。 きっとこのままいればもっと日葵を泣かす結果になる、そう壮一は思っていた。 「悪い……日葵」 そう呟くも、また謝罪することしかできない自分が情けなくて嫌になる。 (どうして気持ちを隠しておけなかったんだよ。俺) その思いしかなかった。しかし仕事はしなければいけない。 余計なことを考えたくないし、これほど自分に色々やらせてくれた誠に報いる為にも、日葵の為にもこの仕事だけは成功しなければいけない。 それだけを思い、壮一は重い身体を起こすとパソコンを起動させた。
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