過去から未来へ

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「そうちゃんのバカ、結局心配したじゃない。隠すなら最後まで隠しなさいよ。でもそうしたらまた置いていかれるの?」 小さいころからの思い出と、再会してからのことが頭をグルグルと頭を廻り、もはや支離滅裂な言葉しかでてこない。 「崎本部長がいるからって諦められるなんて、それぐらいの気持ちなんじゃない。何が好きよ。どうせちょっと言っちゃったとかでしょ? どうせ壮ちゃんなんて昔から自分が一番好きなのよ……」 そう言いながら日葵は昔のことを思い出す。 『日葵はバカだな。仕方がないから一緒にいってやるよ』 『俺は今食べたくないから、日葵食えば?』 (そのあと、めちゃくちゃ夕飯食べてたっけ……)  泣き笑いでそんなことを思い出して、日葵は眠る壮一を見つめた。 なんだかんだ言っても、壮一は日葵を優先していた。文句を言いつつも、すべて日葵がしたいように、日葵の望みをかなえてくれていた。 「やっぱりバカじゃない。私のことなんてほっとけばいいのに……」
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