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過去
(蝉の鳴き声がうるさい!)
「蝉だって一生懸命なんだからそんな事を言ったらいけないでしょ」
(お母さんならそんな事を言いそうだな……)
そう思いながら、今日も朝から目を逸らしたくなるほど、仲の良い両親を思い出し、日葵は小さくため息をついた。
もうすぐ夏休みという7月中旬。
うんざりするほど暑く、近所の庭に咲いているひまわりの花でさえ下を向いていた。
(いつも太陽の方をむいてなんかいないよ……ひまわりだって。水とか与えてもらえなきゃ無理でしょ……)
そんな事をブツブツ言いながら、制服のシャツの胸元をパタパタとしながら真っ青な空を仰ぎ見た。
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