過去から未来へ

7/36
前へ
/234ページ
次へ
「んんっ!」 初めて経験するキスに日葵は耐え切れず、声を漏らすも構うことなく壮一はだんだんとキスを深めていく。 「そうちゃん……もう。無理」 切れ切れに答えた日葵を、壮一は力強く抱きしめる。日葵の耳元に壮一は唇を寄せると少し震えた声で日葵に囁く。 「絶対にもう二度と日葵を泣かせない。大好きだよ」 その言葉にようやく日葵の中で呪縛が解ける気がした。ようやく遠回りをしたけど本当の居場所を見つけた気がした。 「どんなそうちゃんも好きだよ」 幼いころずっと完璧だと思っていた壮一の弱さを知り、生身の男性だと分かった。 これからは追いかけるのではなく、二人で一緒に歩幅を合わせて進んでいきたい。 心から日葵はそう思った。
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2737人が本棚に入れています
本棚に追加